はじめに
大昔は色による選択はなかったチャート式。なぜか他の色が気になりますね。数研出版のホームページにその分類が紹介されています。白、黄、青、赤の内容を比較してみました。チャート式の色の選択やどこまで使用するかの参考にしてください。
チャート式とは?
白、黄、青、赤、緑、黒、紫、スカイがあります。ここでは教科書の内容に合わせて使用できる白、黄、青、赤を比較します。
この4色の内容はかなり重複しているので、順に4冊仕上げる必要はなくどれか一つの色を選んで完成させ、不足部分を別の参考書を追加して補います。
数研出版のレベル表では、白のみが出発点が低くなっています。改訂版が出版されてから黄、青、赤は同じです。ただし、黄チャートの「Check&Check」や赤チャートの「Check 問題」など例題の前に教科書の内容を確認する問題を含んでいるチャートもあります。到達点は、白、黄、青、赤の順に高くなっています。
問題に対する解説は同じレベルの同じ問題であれば同じですが、レベル別の例題に含まれる問題数には違いがあります。例えば白は教科書の例や例題レベルの問題が他の色のチャートより例題に多く含まれており、章末・節末問題レベルへの準備を手厚くしています。これは対象としている教科書が異なることも影響していると思います。
教科書の節末・章末レベル (大学入学共通テストレベル) まで完成させる場合、どれを選んでも (白でも) 到達度に差はありません。
教科書(数研出版)と対応している色がオススメです。
チャート式の構成
教科書 (数研出版) との対応
チャートは教科書の講義内容、例、例題の理解を前提としているため、教科書が必要になります。
学校でチャート式が配布されている場合、学校の教科書も数研出版のものであれば、その教科書に対応したチャートの色が配布されていると思います。教科書とチャート式の問題の (対応表) も公開されています。
詳しくは数研出版の「教科書・傍用問題集・参考書 シリーズ一覧」を見てください。
問題の種類
黄チャートの「Check&Check」や赤チャートの「Check 問題」は例題の前に教科書の理解を確認する問題です。巻末問題の総合演習は、青チャートと赤チャートのみに含まれています。
問題数 (Bまで)
注意: 白チャートの「定期試験対策」と白、黄、青チャートの大学入学共通テスト用の「実践編」を除く。
問題数 (IIIまで)
注意: 白チャートの「定期試験対策」と白、黄、青チャートの大学入学共通テスト用の「実践編」を除く。
難易度の比較
コンパスマークや★マークの難度の対応は以下のようになっています。
レベル 3 までが教科書レベルです (本書内の「本書の構成」または「本書の構成と使い方」の「難度」を参照)。大学入学共通テスト対策にはここまでが必要となります。レベル4から難関大向け入試対策です。難易度の設定がある問題は、
- 白: 例題, EX, EXERCISES
- 黄: 例題, PRACTICE, EXERCISES
- 青: 例題, 練習, EXERCISES
- 赤: 例題, 練習
です。青チャートの巻末の「総合演習」、赤チャートの章末の「演習問題」と巻末の「総合演習」には難易度の設定はありません。まずは難易度設定のあるものを使用して教科書の節末・章末レベルまで仕上げます。
章内の問題の構成
「例題」- 教科書節末・章末レベルまで
教科書の節末・章末レベルまでの「例題」の構成は、文系 (Bまで) は次のようになっています。
理系 (IIIまで) は次のようになっています。
です。白チャートは明らかにレベル 2 の問題を多く含んでいて、他の色よりレベル 3 の問題への準備を手厚くしています。青チャートと赤チャートを比較した場合も同様に青チャートの方がレベル 2 の問題数が多く、赤チャートよりレベル 3 の問題への準備を少しだけ手厚くしています。黄チャートの「例題」は、青チャートの内容を少し絞った内容になっていますが、EXERCISES で補っています。
「例題」- 入試対策レベル
入試対策レベルの例題の構成は、文系 (Bまで) は次のようになっています。
理系 (IIIまで) は次のようになっています。
このレベルの例題を一番充実させているのが赤チャートです。赤チャートはレベル 4 の問題がないため、レベル 3 の問題数を多くして赤チャート内の次のレベルへの準備を手厚くしています。
「EX、PRACTICE、練習」(白、黄、青チャート) の問題数
白、黄、青は例題の数と同じです。例題の反復練習の位置付けです。
「練習」(赤チャート) の問題数
赤は反復練習以外の類題も練習に含まれていて、次のように例題より多くなっています。
節末・章末問題の構成
「EXERCISES」(白、黄、青チャート)
白、黄、青には各章末に難易度がついた「EXERCISES 」があります。問題数は白チャートが一番多くなっています。難易度別割合は、例題で割合が最も多いレベルよりも1段階高いレベルの問題の割合が多くなっています。
青チャートの例題に含まれているものが白チャートや黄チャートのEXERCISESに含まれていたりします。白チャートでも「EXERCISES」まで仕上げれば、教科書レベルまでの完成度は青チャートと同じです。
「演習問題」(赤チャート)
赤チャートにも章末に「演習問題」がありますが、こちらは難易度設定がされておらずその章の発展的な演習問題になっています。
I+A+II+B | I+A+II+B+III |
---|---|
261問 | 361問 |
巻末問題の構成
青と赤の巻末のみにある純粋な入試演習です。
「総合演習」(青チャート)
青チャートの問題数は次のようになっています。
I+A+II+B | I+A+II+B+III |
---|---|
121問 | 179問 |
「総合演習」(赤チャート)
赤チャートはここが次のように充実しています。
I+A+II+B | I+A+II+B+III | ||
---|---|---|---|
第1部 (単元別問題) |
問題 | 54問 | 72問 |
類題 | 54問 | 72問 | |
第2部 (融合問題) |
主題 | 36問 | 45問 |
試練 | 36問 | 45問 |
まとめ
- どの色でも教科書の節末・章末レベルまで仕上げるのに使用できます。白チャートや黄チャートでも例題に加えEXERCISESも行えば教科書の節末・章末レベルまでの網羅性は青チャートと同じです。
- 教科書の完成度が低い人は白チャートがオススメです。例題の出発点が他のチャートより低く、教科書の内容を補うレベル 1 とレベル 2 の例題が他の色より充実しているためです。
- 難関大を目指している受験生で、教科書と教科書傍用問題集を完成させている場合は、赤チャートの練習から入ると効率的でかつ到達点も高くなります。
- 使用しているチャートが目指している入試対策レベルに届かない場合、もう一冊別の色のチャート式を追加するより、足りないレベルのみに対応した別の参考書を追加して補う方が効率的です。
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