参考書でDIY

参考書や問題集を使用した大学受験の独学をサポート

白、黄、青、赤?チャート式の選び方

はじめに

学校で配布されたものを使用するのが一番よいですが、なぜか他の色が気になりますね。数研出版のホームページでの内容が紹介されています。新課程版の白、黄、青、赤の内容を比較してみました。チャート式の色の選択やどこまで使用するかの参考にしてください。

チャート式の種類

現在の版ではこの時点で、白、黄、青、赤、緑があます。緑は一冊で I, A, II, B, C の問題が含まれてます。「大学入学共通テスト対策」用です。ここでは教科書の進度に合わせて使用できる緑以外を比較しています。

この4つの内容はかなり重複しているので、順に4つ仕上げる必要はなく、どれか一つの色を選んで完成させ、不足部分を別の参考書を追加して補うのがよいです。

開始と到達のレベル

数研出版の現版のレベル表では、なぜか赤の提示がないのですが、この点は以前の版と同じで例題の出発点は白のみが低く、それ以外は同じです。黄チャートの「Check&Check」と赤チャートの「Check 問題」のような、例題の前に公式や定理自体の理解の確認をする問題を含んでいるチャート式もあれば、青チャートのようにその公式や定理の解説を載せているものもあります。白チャートでは公式や定理の解説に加え確認する例題でその理解が確認できます。

例題の到達点は、白、黄、青、赤の順に高くなっています。

教科書との対応

使用している数研出版の教科書と対応している色がオススメです。

各出版社で数学の教科書は一種類でなく、数研出版の場合は III と C まである教科書は5種類あります。それぞれの教科書に対しておすすめの副教材として提示されているチャート式は次のようになっています。

教科書のシリーズ
最新    
新編  
高等学校  
NEXT  
数学    

現版の赤チャートの対応する教科書は公表されていませんが、「数学」シリーズが相性がよいです。

難易度の設定

レベルは、黄、青、赤が「数学シリーズ」をもとに、白が「新編シリーズ」をもとに設定されています。「数学シリーズ」と比較すると次のような感じです。

最初に到達すべきはレベル2です。問題数としては例や例題にレベル設定のある節末・章末問題を加えても、文系で560問ぐらい、理系で700問ぐらいで、高校3年の河合の模試で偏差値50に届くようになります。

白でもすべての問題が解けるようになれば「共通テスト」のレベルまで到達できます。

問題の種類

白チャートは、黄チャートの「Check&Check」や赤チャートの「Check問題」レベルから例題が始まっています。

前の版と大きな違いは、白チャートと黄チャートに巻末の章が設定されたところです。

問題数

種類別に比較してみました。

教科書の確認と例・例題

黄チャートと赤チャートには教科書の公式や定理の確認用の問題があります。白チャートはその部分も例題として用意されています。

文系 (I+A+II+B+C)

例題: 682 Check&Check:
238
Check 問題: 137
例題: 750 例題: 885 例と例題: 922

理系 (I+A+II+B+C+III)

例題: 840 Check&Check:
277
Check 問題; 155
例題: 931 例題: 1,100 例と例題: 1,142

黄チャートや青チャートの基本例題の解説が理解できない場合は、教書の理解が浅いです。教科書で今一度確認してみましょう。それでも理解できない場合は白チャートの例題を使用するとよいです。同じ内容を問う問題でも、少しやさしくなっています。

反復練習

現販のチャート式のすべてで統一されたのが、例題の下の問題 (TRAINING, PRACTICE, 練習) は反復練習用の問題になったことです。例題が不正解の場合、例題の解説・解答を確認後、反復練習用の問題で理解を確認するように提示されています。

赤チャートの例の反復練習用の「反復問題」は、数研出版のホームページからダウンロードするようになっています。

文系 (I+A+II+B+C)

TRAINING: 682 PRACTICE: 750 練習: 885 反復問題: 292
練習: 630

理系 (I+A+II+B+C+III)

TRAINING: 840 PRACTICE: 931 練習: 1,100 反復問題: 342
練習: 800

章末・節末

重要問題集とチャート式の問題との対応情報にも EXERCISES がある通り、網羅性を確保するためには、解いた方がよい問題です。黄チャートは、青チャートでは例題として紹介されている問題がここにあります。白チャートは前版と比較すると問題数が半分以下になっています。

文系 (I+A+II+B+C)

EXERCISES
372
EXERCISES:
643
EXERCISES:
584
演習問題: 284
問題: 6

理系 (I+A+II+B+C+III)

EXERCISES
467
EXERCISES:
791
EXERCISES:
760
演習問題: 353
問題: 6

巻末

入試問題の形式に慣れるために用意されています。青チャートの第一部、白チャートと黄チャートは主に共通テスト向けの内容になっています。例題形式になっている問題は使用するとよいです。

文系 (I+A+II+B+C)

実戦例題: 24
TRAINING実戦: 24
問: 76 第1部
Check: 25
問題: 17
第2部: 131
演習例題: 44
類題: 44

理系 (I+A+II+B+C+III)

実戦例題:  24
TRAINING実戦: 24
問: 82 第1部
Check: 31
問題: 20
第2部: 171
演習例題: 66
類題: 66

コラム

問題の難易度以外で、赤チャートと他のチャート式で大きく異なる部分はここです。

前版では白チャートがコラムで知識や理解の浅い人に対して対応が充実していましたが、黄チャートや青チャートも今版で充実しました。ただ教科書傍用問題集などで十分な演習をしている人はこの部分はすでに達成している場合が多く、不要と感じることも多いです。その場合は今まで通り紙面を例題に割り当てているのが赤チャートという選択肢があります。

まとめ

チャート式の良い点は次のような感じです。

  • 教科書や教科書傍用問題集との対応情報が豊富にある
  • 同じ形式で教科書レベルから入試基礎や入試標準レベルまで到達できる
  • 関連情報で定理や公式ごとに問題の難易度の上げ下げができる
  • 重要問題集でさらなる演習を追加できる

問題数は意識する必要はないです。レベル別に比較すると、他の問題集より問題数は多いということはないです。

受験年度から使用開始する場合は、レベル別に完成させていくと全範囲を網羅できないというリスクを避けられます。また同じ形式でレベルを上げられるため、問題集を変えたときにその形式に対応するための時間を節約できます。

現在、黄、青、赤が学校で配布されていて、難しいと感じるなら迷わず白チャートを併用してみましょう。白チャートでは他のチャート式を比較すると、次のような部分で充実しています。

  • 一段階下のレベルから例題がある
  • 同じテーマに対する問題でも少し易しくなっている
  • 中学の知識かどうかを明記している

白チャートの問題がすべて解けるようになっていれば、1対1対応の演習にも入ることができます。