はじめに
更新版です。
再び一般書籍として購入できるようになってから新過程版としてはじめて改訂され、2023年12月の数学IIIの改訂ですべてがそろいました。青チャート の代わりに使用できます。特に教科書が同じ東京書籍の場合は相性が良く青チャートやフォーカスゴールドなど他の参考書に変更不要です。 また他の参考書では別売りの例題の問題文のみを集めたノートが別冊の「例題集」として付属しているのでお得です。
完成させたいと思っている人は参考にしてください。
ニューアクションレジェンドとは?
次のような特徴があります。
- 問題の開始レベルや到着レベルは青チャート と同じ
- 東京書籍の教科書の例レベルから入試標準レベルまで幅広く網羅
- 「まとめ」から入れば教科書なしでも進められる。
- 問題数はレベル別に分類すると多くない
- 「思考の戦略編」の後は、東大でも過去問に入ることができる。
今回の改訂で総問題数が 青チャート の 1.3 倍ほどに達しています。また同じ東京書籍の入試対策問題集ニューグローバルシリーズ (トップやマーチ)とは次のような関係にあります。
- ニューグローバルトップは旧ニューグローバル β 相当
- ニューアクションレジェンドの例題で土台を作ったあとの演習
ニューアクションレジェンドの構成と内容
使用する前に構成や内容を知ると進めやすくなります。
青チャートとの比較
ざっくりと比較すると次のような感じです。
- 例題集 - 別売りの完成ノートパック
- 例題マップ - <対応なし>
- 例題 / 探究例題 - 例題
- 練習 - 練習
- 問題編 - <対応なし>
- コラム - コラム
- チャレンジ - EXERCISES
- 本質を問う - EXERCISES
- Let's Try - EXERCISES
- 思考の戦略 - 総合演習第1部
- 入試攻略 - 総合演習第2部
青チャートと異なり書店で購入しても背表紙が分離したものを入手できます。
問題の難易度設定
次のように「★」で4段階に難易度設定されています。
★ | 教科書の例レベル |
★★ | 教科書の例題レベル |
★★★ | 教科書の節末・章末レベルから入試の標準レベル |
★★★★ | 入試のやや難しいレベル |
「練習」には ★ がないですが、例題の反復練習用で難易度は対応する例題と同じです。その他 ★ の設定がない問題は次のような感じです。
- 探究例題
- チャレンジ
- 本質を問う
- Let's Try
- 入試攻略
全体の難易度マップは次のような感じです。
問題の種類と役割
青チャートより問題に対して目的別のグループ分けが細かく設定されています。まずは次の3つで高校数学の土台を構築するようになっています。例題をアウトプットとして解いた結果、間違えたら練習、正解したら問題編という流れが設定されています。問題編の問題は例題と1対1で対応しています。
- 「例題」は覚えるべき解法
- 「練習」は「例題」の反復練習
- 「問題編」は「例題」の類題
数学マップ内の学習ルートにも含まれているコラムにある問題で数学的な考え方や見方を広げるようになっています。
- 「探究例題」
- 「チャレンジ」
節末には「問題編」以外に次のようなテーマで問題が用意されています。
- 「本質を問う」原理・原則を振り返る問題
- 「Let's Try!」は網羅度を高めるための演習
最後に巻末に次の2つがあります。
- 「思考の戦略編」は思考力を鍛えるための「戦略例題」「練習」「問題編」
- 「入試攻略」は実践力を高めるための入試の過去問集
「思考の戦略編」は少なくともすべての例題が解けるようになってから「入試攻略」はすべての「Let's Try!」の問題まで解けるようになってから取り組みようになっています。
プロセスワード
例題の「思考のプロセス」内に他の問題でも共通する重要な数学的思考方法が「プロセスワード」として提示されているので、思考方法の整理や抽象化に役立ちます。
例題マップ
例題の一覧表以外に例題マップがあります。各問題には関連する他の問題への参照情報がありますが、各章の始めのページにその章にある例題の関連性を図として提示されており、一目で例題の関連性が確認できます。
「まとめ」
教科書の公式や定理の解説部分が省略されることなくここにまとめられています。
コラム
「Play Back」では学習した内容を整理したり深掘りしたりしています。「Go Ahead」ではより発展的な内容や解法を紹介しています。例題マップをみると、学習ルートとして組み込まれているのがわかります。
例題集
青チャートやフォーカスゴールドではノートとして別売されている例題とその練習のみを載せたものが別冊として付属しています。例題でアウトプットを行う場合、例題のタイトルがヒントになって気になる場合や指針がどうしても目に入って気になる場合、こちらを使用するとよいです。
教科書の問題との対応表
教科書や傍用問題集の対応表も東京書籍のホームページにあります。若干教科書の問題の中で対応されていないものがあります。その部分は教科書をしっかりと確認するとよいです。
問題数
総例題数は探究例題や戦略例題含めると青チャートよりも多くなりました。
種類 | 問題数 | ||
---|---|---|---|
I+A+II+B+C | I+A+II+B+III | ||
例題 | 817 | 1038 | |
探究例題 | 59 | 67 | |
練習 | 817 | 1038 | |
問題 | 817 | 1038 | |
小計 | 2510 | 3181 | |
チャレンジ | 45 | 52 | |
本質を問う | 146 | 189 | |
Let's Try! | 285 | 361 | |
小計 | 476 | 602 | |
思考の 戦略編 |
戦略例題 | 38 | 51 |
練習 | 38 | 51 | |
問題 | 38 | 51 | |
入試攻略 | 194 | 252 | |
小計 | 308 | 405 | |
総合計 | 3294 | 4188 |
レベル別「例題」と「戦略例題」の割合
結果として文系と理系が同じ割合になっています。「★★」の教科書の例題レベルの問題数が半数を占めます。これ以外に今回の版で新たに設定された「探究例題」がそれぞれ 59 題と 67 題がそれぞれあります
レベル別「問題編」の割合
「問題編」は節末の問題ですが、青チャートの「EXERCISES」と異なり「例題」と1対1に対応した類題になっています。難易度も「例題」と同じ割合です。「EXERICSES」にあたるのは「本質を問う」や「Let's Try」ですが、こちらには難易度の設定表示がないです。「Let's Try!」は ★★ 以上の難易度となっています。
種類別「例題」の割合
★★ 以上の問題には、例題(赤)、例題 (黒)、戦略例題が混ざっています。
例題(赤)が土台となり、例題(黒)、次に探究例題、最後に戦略例題に取り組むという流れになっているので、★★ 以上の問題でつまずく場合はまずは例題(赤)を解けるようにするとよいです。
使い方 (その1)
典型的な流れとしては、教科書のすべての問題が一度解けるようになった後に使用します。I+A, II+B, C, III ごとに次のように最初のページから順に完成させます。
- 単元の初めに「まとめ」で教科書の理解の整理
- 「例題」を解く。不正解なら練習も解く。正解なら問題編も解く。
- 途中のコラムも素通しない。コラム内の問題も解く。
この時点では例題を解いている途中で手が止まったらすぐに「思考のプロセス」を確認し、それでも解けそうにない場合は、すぐに解答を読んで理解するに切り替えましょう。
章末まで到達したら、次のような問題も取り組みます。
- 本質を問う
- Let's Try
巻末まで到達したら、次の部分で思考力を高めます。
- 思考の戦略編
最後に更なるアウトプットで入試への対応力や実践力を高めます。
- 入試攻略
「例題」をインプットとして使用
教科書の理解がまだ浅いと感じる場合は、次のように「例題」をインプットとして使用することで補完できます。
- 1周目は「まとめ」「例題」「コラム」を読んで理解する。
- 2周目から「例題」を実際に解く。間違えたら練習も解く。
- 3周目以降は前の周で間違えた「例題」のみを解く。間違えたら練習も解く。
- すべての「例題」を間違えなくなるまで周回する。
例題を読んで理解する時は、「まとめ」や「思考のプロセス」だけではなく右側の注釈も確認しましょう。2周目以降で例題を解くときに手が止まったらまずは「思考のプロセス」のみを確認して再び解いてみます。それでも手が止まる場合は解答をみて理解するに切り替えます。
使い方 (その2)
難易度別に仕上げていくと、途中で挫折しても無駄になる可能性を低くすることができます。
★マークのレベル別に仕上げる
問題編の★★★★の問題とチャレンジまで終了したらその1と同じように
- 本質を問う
- Let's Try
- 思考の戦略編
に取り組みます。
例題の種別に仕上げる
ニューアクションレジェンドの「学習方法」のページではこちらが紹介されています。
チャレンジまで終了したらその1と同じように
- 本質を問う
- Let's Try
- 思考の戦略編
に取り組みます。
単元別に仕上げる
先取りや学校の進度に合わせて進める場合は、進度にあわせて単元別に完成させます。
まとめ
NEW ACTION LEGEND が完成していれば、東大でも過去問に入ることができます。青チャートやフォーカスゴールドとは役割が被っているので、どれか一つで大丈夫です。
必ず使用すべき内容
例題、コラムと探究例題、本質を問う、思考の戦略編の戦略例題です。ただこの部分のみでは演習量が不足します。これ以外の問題も取り組むか、他の問題集で演習量を確保しましょう。
例題のレベル別優先順位は次のとおりです。
- ★の例題と★★の赤例題
- ★★の黒例題と★★★の例題
- ★★★★の例題
- 探究例題
- 戦略例題
例題の下の練習
例題をインプットとして使用するなら理解の確認のためにすべて解いた方がよいです。例題をアウトプットとして使用する場合は、間違えた例題の下の練習を解くと理解の確認ができます。
問題編
フォーカスゴールドの「練習」と同じ役割で、例題と1対1に対応した類題です。例題が解けたら次は問題編の中で対応する問題を解くと良いです。
Let's Try !
入試基礎から標準問題までの網羅性を高めることができます。志望校の過去問の前に他の問題集を追加する予定がない場合は解くと良いです。
入試攻略
志望校の過去問を優先しても大丈夫です。