はじめに
< 更新版 >
物理は公式の背景に物理現象があります。物理現象と数式の組み合わせを理解するところが重要です。
参考書や問題集は、学校から配布される教材を使用する典型的な流れの中でつまずいているところを別のもので補足や置き換える感じで、自分に合うものを本屋などで見て選ぶとよいです。
典型的な流れ
教科書準拠の問題集を含めた典型的な流れとして次のようなものがあります。
数研出版の書籍を中心
- 教科書 (数研出版)
- 教科書準拠問題集
リードα 物理基礎・物理 (数研出版) - 物理の重要問題集 (数研出版)
- 過去問
- 難問題の系統とその解き方 (ニュートンプレス)
啓林館の書籍を中心
- 教科書 (啓林館)
- 教科書準拠問題集
センサー総合物理 (啓林館) - Toitemi 入試必修問題集 高校物理 (啓林館)
の「基本問題」と「標準問題」 - 過去問
- Toitemi 入試必修問題集 高校物理 (啓林館)
の「分析問題」
1 と 2 が順調な人はあえて変える必要はないです。1と2がしっかりできていれば、3 〜 5 はスムーズに進みます。また4の過去問では東大や東工大でも過去問に入れます。
ステップ1 教科書
教科書を理解する。これが最初の第一歩です。物理現象と数式の組み合わせをしっかりマスターしましょう。
物理の教科書は、数学の教科書と比べると行間が少なくこれでもかっていう感じで情報が詰め込まれていますよね。もしそんなところに抵抗を感じている場合は、次のような行間が広く動画で解説もあるものを使用してみてください。
- 秘伝の物理講義 力学・波動編 (学研プラス)
- 秘伝の物理講義 電磁気・熱・原子編 (学研プラス)
秘伝の物理の初めの方から理解できない場合は、一度中学理科の物理の内容に戻るのも効果的です。
見た目は分厚いですが、中は2つに分かれています。読んで理解をする人向けの冊子と講義を聞いて理解する人向けの冊子です。講義の動画はYouTubeで公開されていて各単元の始めのページにバーコードが付属しています。解説動画のリンクはここにもまとめられています。使いやす方を選択できます。また講義用の冊子は後で知識を確認するためのまとめノートの位置付けとしても利用できます。
物理に必要な数学の知識
中学の連立方程式は必須です。高校数学の数学Iの二次方程式、三角関数、指数関数、数学Bのベクトル(新課程の場合はなんと数学C)を先に数学の教科書で理解しておくとスムーズに進みます。
ステップ2 リードα 物理基礎 物理
教科書が数研出版の場合は同じ出版社のリードαを、教科書が啓林館の場合は同じ出版社のセンサー総合物理を教科書準拠問題集として使用していると思います。別冊解答がなかったり、相性が良くないと思う場合は、次のように問題のレベル別に他の書籍と置き換えることもできます。
リード A, B, C
「センサー総合物理」の場合は各章のはじめの要点がまとめてある部分と「ステップ1」「ステップ2」が該当します。
次に紹介する「秘伝の物理講義」「導出物理」「物理教室」は教科書がなくても進められますが、「物理のエッセンス」と「入門問題精講」は教科書を理解した後に利用する書籍です。
- 秘伝の物理講義
- 導出物理 (405問 + 340問)
- 物理教室
- 物理のエッセンス (184問 + 168問)
- 入門問題精講 (117問)
「教科書」で紹介した書籍です。問題も結構含まれているので内容を理解したら問題で理解を確認するとよいです。
この書籍のコンセプトの一つにある通り教科書と問題集が一つになった書籍です。問題数が他のものより多いですが、使用する数学知識の練習も含まれています。微積で公式を説明している部分もあります。
教科書と物理のエッセンスを一つにしたような感じのものです。
もし教科書が理解できているのであれば受験のための補足として「物理のエッセンスは」はお勧めの一つです。含まれている問題は「センサー総合物理」のステップ3レベルのものも含まれています。
こちらも教科書が必要です。問題の正否だけではなく「Point」や「公式」の内容も必ず教科書と照らし合わせて知識として蓄えましょう。
リード D
「センサー総合物理」の場合は「ステップ3」が該当します。
リード A, B, Cの代わりに選択したものがあれば、同じシリーズを利用するのがお勧めです。
- 秘伝の物理問題集 (189問)
- 導出物理 基礎演習編 (213問)
- 良問の風 (148問)
- 基礎問題精講 (105問 + 44問)
「秘伝の物理講義」の後はこれです。「秘伝の物理講義」と相互に参照できるようになっています。YouTube の解説動画のリンクもここにあります。この後は「秘伝の物理問題集High」です。
「導出物理」の後はこちらです。「私大過去問」とありますが、国公立でも利用できます。
「センサー総合物理」のステップ3のレベルです。「物理のエッセンス」の後にさらに演習を積みたい人には得には「良問の風」はおすすめです。この後は「名問の森」です。
「入門問題精講」の後はこれです。問題の正否だけでなく「精講」の部分も必ず理解するようにしましょう。「良問の風」よりは少しだけ易しいです。この次の「標準問題精講」は難易度が跳ね上がります。間に「名問の森」を挟むとよいです。
3. 物理の重要問題集
アウトプットとして使用する問題集です。いろいろな形式の問題が入り混じっているため、インプット用に利用すると効率が悪いので、このレベルのインプットをする場合は別のものを使用しましょう。このあとはどの大学でも過去問演習に入れます。
解説やレイアウトが合わない場合は次のような選択肢もあります。
- 物理の良問問題集
- Toitemi 入試必修問題集 高校物理 (基本問題, 標準問題)
重要問題集より問題数が多いですが、レベルは少し下の方から始まっています。著者は「物理 標準問題精講」と同じ中川先生です。
これが別冊の解答とともに学校から配布されていて問題なく進められているのであれば、これで大丈夫です。「基本問題」「標準問題」が該当します。
このレベルのインプット教材
もし重要問題集や良問問題集でなかなか進まない場合は、問題の形式が統一された次のような問題集でこのレベルのインプットを一度行うとよいです。
- 秘伝の物理問題集High (100問)
- 名問の森 (73問 + 67問)
YouTube の解説動画のリンクはここにあります。秘伝の物理問題集への参照も含まれています。
このレベルのインプット用問題集として定番のものです。問題の形式が統一されているのでインプットとして利用しやすいです。
ステップ4 過去問
ステップ3の後は東大や東工大でも過去問に入れます。
教学社の難関校過去問シリーズでXX大の化学XXカ年がある場合は優先して行いましょう。
難関国公立や早慶の場合などで難関校過去問シリーズの中に志望大学がない場合は、過去問の後に演習量を増やすために次の難問題の系統とその解き方レベルも行うとよいです。
ステップ5 難問題の系統とその解き方
難関大で合格者平均点以上を狙うのであれば使用するとよいです。例題を中心に行いましょう。次のような問題集でも大丈夫です。
- 標準問題精講 物理
- Toitemi 入試必修問題集 高校物理 (分析練習)
著者は「物理の良問問題集」と同じ中川先生です。
「分析練習」が該当します。難しいと感じる場合は「標準問題精講」を使ってみてください。
微分物理
受験のために必要ではないです。もし時間があって、気になるのであれば、読んでみてください。
- 秘伝の微分物理
- 新物理入門
- 理論物理への道標 上 / 下
ほとんどが講義です。
他の2冊と異なり、理論物理への道標は前半講義で後半は問題演習です。
まとめ
物理は数学と同じで演習量を確保することが重要です。物理現象と数式の組み合わせには多く触れましょう。
ちなみに難関大を目指す現役生の場合の私のおすすめは、高校2年までは学校の定期テストに合わせて、
- 教科書
- リードα または センサー
(学校の教科書と同じ出版社)
夏休み、冬休み、春休みなどの長期休みに、学校で終了した範囲を次のような書籍で演習します。
- 物理のエッセンス
- 良問の風
- 名問の森
または
- 秘伝の物理講義
- 秘伝の物理問題集
- 秘伝の物理問題集 High
高校3年生は夏休み前までに全範囲で上記内容を終了させます。
夏休みには
- 良問問題集
- 志望大学過去問
9月から11月に
- 標準問題精講
12月に
- 共通テストの過去問
- Z会の共通テスト実践模試
のペースで行うことができるとよいです。教科書が啓林館で「Toitemi 入試必修問題集 高校物理」が別冊の解答とともに配布されている場合は、そちらも是非併用してみてください。