はじめに
< 更新版 >
物理では、物理現象に対する法則があり、その法則の数式に数学的な処理して問題の正解を導きます。
参考書や問題集は、学校から配布される教材を使用する典型的な流れの中でつまずいているところを補足や置き換える感じで、自分に合うものを本屋などで見て選ぶと内申点の対策にもよく効率的にです。学校で配布される書籍をベースにその選択肢を紹介します。
学校配布の書籍とその使用ペース
学校配布の書籍として一般的に次のようです。この後どの大学でも過去問の演習に入れます。
- 教科書
- 教科書準拠問題集
- 受験用問題集
数研出版の書籍で例えるなら次のような感じです。
- 教科書
- リードα 物理基礎・物理
- 物理の重要問題集
定期テストの範囲は次の2つが対象になります。
- 教科書
- 教科書準拠問題集
これらは遅くとも高校3年の夏休み前には終了します。高校3年生の夏休み明けから、
- 受験用問題集
を使用して本格的な演習が始まります。
配布された受験用問題集は志望校の過去問とともに、夏休み中に一度解いておくと良いです。そうすることによって夏休み明けの授業ではその受験用問題集の復習ができ、自宅学習ではさらに上位の問題集を追加して得点源を目指すことができます。
それでは以降でそれぞれの選択肢の例を紹介します。
教科書
最初に到達すべきゴールは、教科書で物理現象の法則と数式の組み合わせを理解することです。次のようなことに直面していませんか?
- 物理の教科書の行間が狭く文字や図が詰まっていてレイアウトが合わない
- 映像で予習や復習がしたい
- 三角関数やベクトルなどが数学の授業より早く出現して理解が追いつかない
これらの教科書に対してよくある課題に対してそれぞれサポートする参考書を二つ紹介します。
秘伝の物理 物理のインプット講義
物理の教科書は、数学の教科書と比べると行間が狭く文字や図がこれでもかっていう感じで詰め込まれていますよね。もしそんなところに抵抗を感じている場合は、次のような行間が広く動画で解説もあるものを使用してみてください。
解説動画もここにまとめられています
- 秘伝の物理 物理のインプット講義 (力学・波動)
- 秘伝の物理 物理のインプット講義 (電磁気・熱・原子)
以前の「秘伝の物理講義」の新課程版です。秘伝の物理が初めの方から理解できない場合は、一度中学理科の物理の内容に戻ってみるとよいです。
含まれている問題は理解の確認のために解きましょう。
導出物理
物理では三角関数やベクトルなど高校数学の内容を使用して説明されている部分がありますが、数学の授業より早くその内容に遭遇します。数学的な内容も合わせて理解したいと感じている場合は、次のような必要な数学の知識も併せて解説している書籍があります。
- 導出物理 上 (力学・熱・波動編)
- 導出物理 下 (電磁気・原始編)
三角関数、ベクトル、微積分、複素数など必要な数学知識の解説に加え、その知識を使用するための簡単な演習もふくまれています。
十分な量の問題が含まれているので、次の「教科書準拠問題集」も置き換えられます。
教科書準拠問題集
教科書と同じ出版社の次のような問題集が配布されていると思います。
- 数研出版 リードα 物理基礎・物理
- 啓林館 センサー総合物理
- 第一学習社 セミナー物理基礎+物理
定期テストの点数を確保するためにも使用した方がよいです。また掲載されている問題がすべて解けるようになれば、河合の記述の偏差値で60に届きます。
別冊解答がない、もう少し詳しい解説が欲しい、また演習量を増やしたいなどはありませんか?それぞれのケースにあわせて次のような書籍のいずれかの組み合わせを使用してみてください。
- 導出物理 (上: 299問 + 下: 256問)
- 入門問題精講 (121問) + 基礎問題精講 (159問)
-
物理のエッセンス (116問 + 98問) + 良問の風 (154問)
導出物理 + 導出物理 基礎演習
「教科書」のところでも紹介しましたが、この書籍のコンセプトの一つは教科書と問題集を一体で提供することです。こちらで教科書準拠問題集は丸ごと置き換えられます。
物理のエッセンス + 良問の風
「物理のエッセンス」は、教科書準拠問題集の後に使用すると、知識の整理とさらなる演習量の確保ができます。
問題はリードαのAからCやセンサーのステップ1と2が中心ですが、中にはリードDやステップ3レベルの問題もあります。
「物理のエッセンス」の次はこちらでを使用すると、リードαのリードDやセンサーのステップ3レベルの演習量を確保できます。
入門問題精講 + 基礎問題精講
もし教科書準拠問題集が難しいと感じるなら、この二冊です。
問題の正否だけではなく「Point」や「公式」の内容も必ず教科書と照らし合わせて確認しましょう。
「入門問題精講」の次はこちらです。問題の正否だけでなく「精講」の部分も必ず理解するようにしましょう。「良問の風」より少し易しいです。到達点が気になる場合は、このあとに「良問の風」を追加してください。
受験用問題集
教科書準拠問題集の次にアウトプットを行うための代表的なものは次のような感じです。
- 重要問題集 (156問)
- 良問問題集 (250問)
- 難関校過去問シリーズ (XX大の物理XXカ年)
- Toitemi 入試必修問題集 高校物理
定番なものの一つです。
「良問問題集」は「重要問題集」より基礎的なところから始まるので問題数はこちらの方が多いです。著者は「物理 標準問題精講」と同じ中川先生です。
自身の志望大学がこのシリーズにあるなら、活用しましょう。志望大学で出題された問題が分野別に掲載されています。
教科書が啓林館の場合、こちらが配布されていると思います。「基本問題」と「標準問題」にとりくみましょう。この時点で「分析練習」は飛ばしても大丈夫です。
インプット教材
「重要問題集」や「良問問題集」は、いろいろな形式で問題が掲載されています。よく言えば入試問題がそのまま掲載されています。このレベルで問題の形式を揃えて知識をまずは身につけたい場合は次のような問題集がよいです。
- 名問の森 (力学・熱・波動I) (75問)
- 名問の森 (波動II・電磁気・原子) (69問)
過去問
次に紹介するさらに難しい問題に取り組む前にたとえ東大でも志望大学の過去問に取り組みましょう。
難易度が高い問題集
過去問のあとに時間があれば、次のものにも取り組んでみてください。特に難関校過去問シリーズに志望大学がない場合で早慶を併願する場合は使用するとよいです。
著者は「物理の良問問題集」と同じ中川先生です。難関過去問シリーズに志望校がない場合は、こちらも取り組むと良いです。
十分な時間があればこちらもおすすめです。
啓林館のこちらが配布されている場合は、この時点で「分析練習」に取り組みましょう。
微積分と物理
大学のレベルまで到達しなくとも入試には対応できます。
ただ高校の数学の範囲で式の導出を理解していると「教科書」にある公式の成り立ちや難しい問題の解説・解答への理解が深まります。数学の公式の導出を理解した上で導出された式を直接利用するのと効果は同じです。
「教科書」や「教科書準拠問題集」のところで紹介した導出物理以外で、数学をIIICまで学習済みの場合は、次のような書籍も活用できます。書店では大学受験向けの参考書コーナーではなく物理の専門書コーナーに置いてあります。
まとめ
現役の進め方の一つの例としては、学校の定期テストに合わせて、
- 教科書
- 教科書準拠問題集
夏休みなどの長期休みに授業で進んだところまで、
- 物理のエッセンス
- 良問の風
- 名問の森
「物理のエッセンス」と「良問の風」は「導出物理」で置き換えてもよいです。高校3年の夏休み前にここまで終了して、高校3年の夏休みに
- 物理の良問問題集
- 併願校を含む志望大学過去問
ここまで順調に終了していれば 8 月末の河合の記述で偏差値70付近に到達できます。高校3年の9月から
- 標準問題精講
12月の駿台のプレの後に
- 共通テストの過去問と予想問題で演習
で一通り終了です。共通テストは9割以上を目指せます。