参考書でDIY

参考書や問題集を使用した大学受験の独学をサポート

青チャート、フォーカスゴールド、ニューアクションレジェンド、網羅系参考書の違い

はじめに

更新版です。

新課程用に改訂されたものを比較してみました。受験用の問題集に入る前は、学校で配布される教科書、教科書傍用問題集、網羅系参考書、この3つで十分です。学校の教科書と同じ出版社のものが一番相性がよく変える必要性はないですが、他の二冊が気になる受験生は参考にしてください。

ニューアクションレジェンドの特徴

知識の理解や定着が浅い人に一番やさしいのは変わっていないです。

ただ例題のすぐ下のヒントや右側の側注、例題の下やコラムで知識の整理や深掘りする部分は、青チャートフォーカスゴールドが現在の販で追いついてきました。

今回の版では「本質を問う」で公式の証明や成り立ちをしっかりと定着させる問題や「プロセスワード」で他の問題でも共通する考え方を意識させる点など、数学を苦手とする人に親切な部分が新たに追加されています。

他の2つと異なり、例題の反復練習の「練習」に加え「例題」と1対1に対応した「類題」が含まれている問題編は変わらずあります。青チャートの「練習」とフォーカスゴールドの「練習」の両方が含まれている感じで、知識の定着のための問題がしっかり用意されています。

フォーカスゴールドの特徴

ここで紹介している3つの中で開始レベルが最も低く、到達レベルが最も高いです。

「Check!」に相当する部分は青チャートニューアクションレジェンドにはなく、公式の基本的な使い方や計算の確認から始められます。(黄チャートやニューアクションフロンティアにはあります。)

今回コラムで知識の整理や深掘りする部分がよりいっそう増えてかつ良くなっています。

構成の大きな変更点としては、チャレンジ編の「Level Up」と「演習」が「Level Up」に統合されました。本書内で例題のように解説があるのが旧「Level Up」です。網羅系の参考書でこのレベルの問題の解説が本書内にしっかりとあるのはフォーカスゴールドと赤チャートのみです。

青チャートの特徴

同じ出版社の教科書や問題集との対応情報の公開が一番充実しています。

例題のすぐ下のヒントや右側の側注は改訂されるたびによくなり、10年前のものと比較すると非常に親切になっています。またコラムで知識の整理や深掘りする部分もよりいっそう充実されています。

今回、総合演習を第1部と第2部に分けてニューアクションレジェンドの「思考の戦略」のような問題も第1部に用意されています。

選び方

それぞれ次のようなサイトで対応表が用意されていて、教科書と同じ出版社のものが一番相性がいいです。どれか一つが終了すれば、どの大学でも過去問演習に入れます。

啓林館は以前の版のような対応表の情報は現時点では公開されていないようです。

網羅系参考書を使用する前に

必要な理由は異なりますが、対応している教科書を理解して、含まれている問題はすべて解けるようにするとよいです。

青チャートニューアクションレジェンドは、公式や定理の確認や計算の問題が十分ではなく、フォーカスゴールドは「Check!」で問題は十分ですが公式や定理の解説は含まれていないためです。

難易度の設定と到達レベル

難易度は、それぞれ同じ出版社が発行する教科書と対比しているので、完全に一致していないですが、教科書の知識で土台を作る問題は、おおむね次のような感じです。例題の数としては文系で 400 問ぐらい、理系で 500 問ぐらいです。問題数は基礎問題精講 (III+C までの例題数: 473)とかわらないです。

ここが当たり前になっていれば共通テスト演習用の問題集 (例: Z会のハイスコアなど) に入れます。

共通テストの過去問や予想問題集 (例: Z会の実践模試) に直接入って、時間配分や形式の確認するなら、次のような部分まで当たり前にしましょう。

ここまでのレベルの知識の定着や網羅性を確実なものにするなら、さらに上のレベルに行くのではなく例題以外の同じレベルの次のような問題も解きましょう。ここまで来ると高校3年の河合塾の模試で偏差値60付近まで到達します。

共通テストレベル以上の大学を受験する場合でかつ他の問題集を使用しないなら残りのレベル問題にも取り組みましょう。

問題の種類と数の比較

I, A, II, B, C

問題の種類 青チャート FG NAL

公式・定理の
確認と計算

Check!
308
例題 例題
885
例題
785
例題
817
探究例題
59
例題の
反復練習
練習
885

練習
817

例題の
類題
練習
785
問題編
817

節末・章末
問題

EXERCISES
584
Step UP
567
章末問題
(思考力問題以外)
133
チャレンジ
52
本質を問う
146
Let's Try
285
思考力問題 総合演習第1部
17
章末問題の
思考力問題
38

思考の戦略編
戦略例題 38
練習 38
問題 38

巻末問題

総合演習第2部
131

Level Up
201
入試攻略
192

I, A, II, B, C, III

問題の種類 青チャ FG NAL
公式・定理の
確認と計算
Check!
360
例題 例題
1,100
例題
1,006
例題
1,038
探究例題
67
例題の
反復練習
練習
1,100
練習
1,038
例題の
類題
練習
1,006
問題編
1038
節末・章末
問題
EXERCISES
760
Step Up
750
章末問題
(思考力問題以外)
172

チャレンジ
52
本質を問う
189
Let's Try
361

思考力問題 総合演習第1部
20
章末問題の
思考力問題
52

思考の戦略編
戦略例題 51
練習 51
問題 51

巻末問題 総合演習第2部
171
Level Up
260
入試攻略
252

巻末の問題は「Level Up」が一番到達点が高いです。

解法の網羅

反復用の「練習」や例題の演習のために1対1に対応した「類題」を除いて、解法の網羅性に焦点をあてて問題数を確認すると次のようになります。

I, A, II, B, C

青チャート フォーカスG ニューアクションL
1,617  1,724 1,589

I, A, II, B, C, III

青チャート フォーカスG ニューアクションL
2,051 2,240 2,010

 

青チャートは「例題」「EXERCISES」「総合演習」が対象です。フォーカスゴールドの場合は、開始レベルを他の2つに合わせるために「Check!」問題を除き「例題」「Step Up」「章末問題」「Level Up」を対象とし、ニューアクションレジェンドの場合は、「例題」「探究例題」「チャレンジ」「本質を問う」「Let's Try」「戦略例題」「入試攻略」を対象として比較しています。

フォーカスゴールドの問題数が多いのは、他の2つとことなり到達点が高く入試発展問題までしっかりと対応しているためで、入試標準問題までとすると文系でおおよそ1,600 問、理系でおおよし 2,050 問ぐらいが網羅するために必要な問題数で、どれを使用しても大差はないです

フォーカスゴールドの Check ! の問題数を加えた文系 2,032問 理系 2,600 問がそれぞれ教科書の例レベルから入試標準問題レベルまでの解法を網羅するための問題数と見ることもできます。

入試発展問題に関しては、受験用問題集で十分に対応可能なので、学校で配布された青チャートニューアクションレジェンドを到達点のために切り替える必要はないです。

練習と類題

例題に1対1に対応した反復練習用の問題や類題のことで、知識の定着のために有効活用するといいです。

それぞれ使い方のガイドが次のように異なっています。

青チャート

反復練習用の問題で、「例題」と解いて不正解の場合は、「練習」も解いて理解を確認。

フォーカスゴールド

類題で、「例題」と解いて正解の場合は、「練習」を解いて定着させる。

ニューアクションレジェンド

反復練習用の問題で、「例題」と解いて不正解の場合は、「練習」も解いて理解を確認。正解の場合は、問題編の対応する問題を解いて定着させる。

まとめ

どれか一つ持っていれば他の二つのいずれかに変える必要はありません。受験学年から使用を開始する場合は、レベル別に完成させると全範囲をカバーできないというリスクを低減できます。

一度覚えた知識は、その知識に少し負荷を加えて再び出会って思い出す方が早く定着します。英語で例えると英単語帳で一度覚えた単語は、その単語帳を繰り返すより、英文の中でその単語に出会った時や別の単語帳で出会った時に思い出す方がはるかに早く定着します。

数学でも同様で一度解けるようになった問題は、その問題を繰り返すより「練習」や「類題」で解法を思い出す方が定着が早いです。また一つレベルを上げた問題を解くのも有効です。一度解けるようになった問題は振り返らずまず自分の必要なレベルまで到達することを優先しましょう。網羅系参考書の良い点は、これが一冊でできるところです。レベルを上げた問題が解けなかった時に、一つレベルを下げた問題を特定するため関連情報も活用できます。

網羅系の参考書のあとは、過去問を必ず解いてみましょう。また受験用の問題集を追加して実際に出題される入試問題で形式に慣れましょう。