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早稲田や慶應の理工学部に併願校として合格するには

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はじめに

国公立理系の併願校として早稲田と慶應に合格するために考慮すべき点をまとめてみました。また2022年国公立の併願校として早慶にW合格した受験生が1月から受験当日まで周回していた問題集の情報も合わせて紹介します。

ライバルを知る

2022年、一般受験の合格発表時に慶應は 2,282人、早稲田は 2,544人の合格者を出しています。志願者数はこの合格者の5倍ぐらいになっていました。

併願校として、東京、京都、東京工業、旧帝大、筑波、千葉、横国、神戸などで理科が2科目要求されている受験生が受験します。2022年の国公立の一般の受験者数は、東京 理科一類 が2,744, 東京 理科二類が1,833人、東京工業が3,489人です。これに他の難関国公立の受験者も加わるため、志願者数は合格者の5倍ぐらいに簡単に届いてしまいます。

合格最低点の得点率は双方とも60%前後で、入試問題はこれらのレベルの受験生で差がつく内容になっています。東京大や東京工業大で落ちる人もいれば、他の難関国公立で合格する人もいます。

入試の特徴

早稲田

問題は全体的に慶應義塾より難しく、数学、理科、英語の中で理科が一番得点しずらい科目です。

2022年は基幹理工の学系IIIと創造理工に得意科目選考があるので、指定された中の一教科が高得点の場合、全体で合格最低点に達していなくとも合格できます。また先進理工は理科2教科の配点が異なっていたり、第二志望制度もあります。

慶應義塾

数学と理科はこのレベルの受験生では点差がつきにくい難易度の問題が出題されるためケアレスミスをしないことが重要です。また英語が合格の分かれ目となります。

数学の難易度

東京出版のレベルで B がメインです。難化すると C や D のレベルが含まれ、易化すると A のレベルが 含まれます。B レベルには、同じ東京出版の1対1対応の演習の演習題、新数学スタンダード演習、数学IIIスタンダード演習の問題が該当します。Bレベルの問題を解けるようになるのが合格に対する必須事項です。

2022年の難易度

東京出版の「月刊大学への数学」 4月号の「特集 大学入試問題」で確認すると、2021年は、早稲田と慶應は同じくらいのレベルでしたが、2022年は早稲田が難化し慶應が易化しています。

2022年、早慶上を一般ですべて合格した受験生も慶應の数学は早稲田より解きやすく、上智と同じぐらいの難易度だったと言っていたので、東京出版の指標と一致しています。

1月,2月に周回した参考書と問題集

次の問題集を終了させると過去問の問題が5〜6割ぐらい解ける様になります。

  • 東京出版 新数学スタンダード演習
  • 東京出版 数学IIIスタンダード演習

次の問題集を完成させると難化しても本番9割以上解けるようになります。

  • マセ間出版 難関大 理系数学 I・A, II・B, III
  • 東京出版 新数学演習

鍵となる英語対策

英単語や英熟語は国公立の試験よりも難しいものが含まれています。また英語は出題形式にバリエーションがあるので、過去問で傾向を確認するのは必須です。

2022年の慶應のように数学のレベルが易化すると英語勝負となります。

1月,2月に周回した参考書と問題集

抽象的な日本文に対する英文に対応できるようになります。

  • 旺文社 基礎英文問題精講 4訂版

付属の音声の速さに合わせて理解できるようになると速読力としては十分です。またいろいろなテーマで単語の応用力を高められます。

  • Z会 速読速聴・英単語 Core 1900 ver.5
  • Z会 速読速聴・英単語 Advanced 1100 ver.5

問題集の英文を使用するとさらにいろいろなテーマで単語の応用力を高められます。

  • KADOKAWA 英語長文 ポラリス 3発展レベル
  • かんき出版 英語長文問題 Solution 3 トップレベル
  • かんき出版 英語長文問題 Solution 最新テーマ編 3トップレベル

国公立受験の英作文のために使用していましたが、文法事項の確認のためにも利用していました。

  • Z会 英作文のトレーニング 必修編
  • Z会 英作文のトレーニング 実践編
  • Z会 英作文のトレーニング 自由作文編

難易度に差がある理科

早稲田の理科は数学より得点するのが難しいです。それとは反対に慶應は得点しやすく配点も200点あるので、確実に得点できるようにしたい科目です。

2022年2月の入試では、慶應は物理と化学が対象です。早稲田は基幹理工のみが物理と化学に加え生物が選択可能です。先進理工と創造理工は物理と化学が対象です。

1月,2月に周回した参考書と問題集

次の問題集を終了させると過去問の問題が5〜6割ぐらい解ける様になります。慶應は年度によっては9割ぐらい解けるときもあります。

  • 旺文社 物理の良問問題集
  • 啓林館 Toitemi 入試必修問題集 高校物理 (標準問題)
  • 旺文社 化学の良問問題集

次の問題集を完成させて、本番の難化に備えましょう。特に早稲田の場合はここまで行った方が安心できると思います。

  • 旺文社 物理 標準問題精講
  • 啓林館 Toitemi 入試必修問題集 高校物理 (分析練習)
  • 三省堂 化学の新演習

「Toitemi 入試必修問題集 高校物理」は学校から配布されたため使用していました。分析練習は標準問題精講の問題と同じレベルです。「難問題の系統とその解き方」の例題や「物理 思考力問題精講」でも良いです。

過去問演習で広がる差

「過去問が5〜6割解ける」で紹介した問題集は、東京大や東京工業大の受験生も過去問前の最後の一冊として使用している場合が多いです。ただこれらの問題集の次に教学社の難関校過去問シリーズの XX 大学 XXヵ年や10年分ぐらい過去問が掲載されている赤本で十分な演習をするため、他の難関国公立の受験生とは差が開いてしまいます。

筑波、千葉、横国、神戸が第一希望の受験生は、鉄緑会の東大の過去問 (めちゃめちゃ詳しく解説されている)か、各教科一つ上の問題集、新数学演習、化学の新演習、物理 標準問題精講なども追加で行うと難化しても合格する可能性が高いです。

まとめ

個人的には慶應の理工は英語で足切りをして、その後に数学、物理、化学の採点をしているんじゃないかと感じた部分もありました。

筑波、千葉、横国、神戸の受験生で自分の志望大学の数学と理科で9割以上解けるようになっていれば、英語の対策でW合格する確率は非常に高いです。逆に東京大志望で二次の数学と理科が合格者最低点付近の受験生や東京工業大志望で英語を苦手とする受験生は、合格できない可能性が十分あると思います。