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理系のための現代文の進め方

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はじめに

更新版です。

現代文は英語や数学と同じように高校1年から対策すると良い科目です。現代文に苦手意識がある理系にやさしい視点で進め方をまとめてみました。

興味がある人は参考にしてください。

0. 入試の現代文とは?

次の3つが重要です。

  • 本文を理解する
  • 設問を理解する
  • 本文の中で解答の根拠を見つける

苦手意識がある人は、次のような読解のポイントでそれぞれ分けて見直すとよいです。

  1. 読み取るべき本文のポイント
  2. 解答の根拠を探すときのポイント

高校入学までにこの辺りが正しく出てきいる人は、語彙力を向上させた後、共通テストや志望大学の演習で形式に慣れるだけで現代文は終了になります。

1. 読解のポイントを確認する

正しく読解のポイントを捉えているかまずは確認しましょう。

読解のポイントが正しいかどうかを確認できる次の 3 点が一冊にしっかりと含まれている書籍を選択するといいです。この時点でマークや記述などの出題形式を意識する必要はないです。

  • 本文や設問で現れる漢字やキーワードの解説
  • 本文の解説
  • 設問と解答の解説

これらがすべて含まれている書籍の例としては「入試現代文へのアクセス」シリーズがあります。苦手意識がある場合は進め方も重要で、次のように2つのステージに分けて進めます。

  1. 本文の理解を確認するステージ
  2. 解答の根拠の理解を確認するステージ

入試現代文へのアクセスとは?

読み取るときに注意すべきポイントが「読解へのアクセス」として、解答するときに注意すべきポイントが「正解へのアクセス」として紹介されています。それぞれ最後の方に一覧表もあります。

「使い方」のページで、基本編は「標準的な取り組み方」以外に2つの取り組み方が、発展編や完成編では「標準的な取り組み方」以外にもう一つの取り組み方が紹介されています。苦手意識のある人は「基本編」の3つ目、「発展編」や「完成編」の2つ目のような取り組み方で進めると良いです。

三冊を順番に行いましょう。解説の文体は教科書よりですが、河合の模試の解説や「共通テスト過去問レビュー」の解説も同じ文体です。ここから慣れましょう。

例題が4題、練習が 12 題あります。その中で小説は2題です。読み取るときに注意すべきポイント「読解へのアクセス」が  11 ポイント、解答するときに注意すべきポイント「正解へのアクセス」が 18 ポイント紹介されています。

ステップ1が8題、ステップ2が8題、合計 16 題あります。その中で小説は2題です。読み取るときに注意すべきポイント「読解へのアクセス」は基本編の 11 ポイントに 5  つ追加されて  16 ポイントあります。解答するときに注意すべきポイント「正解へのアクセス」は基本編の 18 ポイントに 10  つ追加されて 28 ポイント紹介されています。本文の要約もあります。

ステップ1が 8 題、ステップ2が 8 題、合計 16 題あります。その中で小説は2題です。読み取るときに注意すべきポイント「読解へのアクセス」は発展編の 16 ポイントに 2 つ追加されて  18 ポイントあります。解答するときに注意すべきポイント「正解へのアクセス」は基本編の 28 ポイントに 8  つ追加されて36 ポイント紹介されています。本文の要約もあります。

入試現代文へのアクセスを使用する前に

問ごとに「語句の意味」と「現代文のキーワード」で解説があります。とりあえず「キーワード集」は入試現代文のアクセスに入る前には不要です。

語彙が不安な場合は、次のようなものを一度確認をしてもよいです。

  • 中学までの語彙
  • 高校の漢字の読みと意味

完成させる必要はないですが、「入試現代文へのアクセス」を使用する前に最初の出会いの場を作り、本文で出会った時思い出したり使用した書籍に戻って調べたりすると定着の助けになります。書籍としては次のようなものがあります。

中学までの語彙に関しては高校の参考書や問題集では解説がないこともあるので、一度読んでおくとよいです。

高校の漢字も、この時点で読みと意味を意識して一度出会いの場を作る漢字で行ってください。

1.1 本文の読み取るべきポイントの確認

読み取るべきポイントは文章の種類 (評論、小説、随筆など) によって異なります。評論文の出題が多いので、書籍の中でまずは評論文をまとめて行ってからその以外をその後行うとよいです。

読んだ後は必ず本文の解説と自身の理解を比較し、読み取れていなかったポイントや読み取りが異なるポイントを確認します。もしそれらのポイントがあった場合は、確認後にそのポイント意識しながら本文を再び読みましょう。

入試現代文のアクセスの使い方

小説文は次の6問です。これ以外は評論文です。

  • 基本編: 第六問、第十二問
  • 発展編: 第八問、第十六問
  • 完成編: 第八問、第十六問

苦手意識がある場合は次のように進めてみてください。まずは本文を読む前に次の部分で語彙の確認しましょう。

  • 語句の意味
  • 現代文のキーワード

次に本文を完成させるために、本文を読みながら、本文を読むために必要な設問だけを解いてみましょう。

  • カタカナになっている漢字問題
  • 空所補充問題

本文を完成させた後にもう一度本文を読んでから「本文の解説」と「読解へのアクセス」で読み取るべきポイントや意識すべきポイントを自身のものと比較して足りないポイントや異なるポイントを確認します。

足りないポイントや異なるポイントがあった場合は、確認後にそのポイントを意識しながら本文を再び読みましょう。

発展編と完成編では「要約してみよう」という部分で小説以外の文章に要約があります。要約がある本文は「読み取るべきポイントの確認」が終了したら、自身で要約してそれも比較確認してみましょう。

1.2 解答の根拠を探すときのポイントの確認

苦手意識がある場合は、いきなり問題をとかず「本文の読み取るべきポイントの確認」を終了させてから、解いてみます。

解答にたどりつくまでには、設問の意図 (理由、内容の把握、など) から始まり、辿り着くまでの流れや意識すべきポイントがあります。解いた後に自身の流れや意識したポイントを解答の解説と比較して、足りないポイントや異なるポイントを確認しましょう。

解答の解説と比較して足りないポイントや異なるポイントがあった場合、解答が間違っていた場合、確認後にそのポイントを意識しながら再び解きましょう。

入試現代文へのアクセスの使い方

解答・解説編の冊子で設問の意図、解答に辿り着くまでの流れや意識すべきポイント (正解へのアクセス) が解説されています。解いた後にしっかりと確認しましょう。

2. 最初の演習

「入試現代文へのアクセス」シリーズの3冊で確認が終了したら、センター試験や共通テストの過去問で演習しましょう。過去問を使用する場合の一つ目の注意点は次の通りです。

  • 演習量も重要で掲載されている問題はすべて解く。

二つ目の注意点は解答の正誤確認だけではなく次の二点も確実に行ってください。

  • 読み取った本文のポイントを本文の解説と比較
  • 解答にたどり着いた流れと根拠を解答の解説と比較

間違えた問題は確認後、再度解いてみましょう。

ここまで終了するとコツがつかめてきて、マーク模試や共通テストで漢字問題以外はほとんど間違えることがなくなります。過去問題集は必ず本文の解説もある書籍を選んでください。例としては河合出版の次のようなものがあります。

きめる!共通テスト 現代文

「入試現代文へのアクセス」は小説の文章が少ないため、小説が不安な場合は過去問の前に「きめる!共通テスト現代文」の小説の部分のみ行ってみてください。

4. 要約で読み取る力の維持と向上

入試まで時間がある場合、要約を行うことによって読み取る力の維持と向上ができます。学校の授業で LT 現代文 (浜島書店) などを使用して行っている場合は、ここは飛ばして他の科目に時間を割り当てても大丈夫です。

要約のみの書籍は見当たらないのですが、以下の書籍の要約部分を活用できます。

評論文向けのキーワードの例文の要約があります。この短い例文を使用して要約を行うと、キーワードの復習もかねて要約の演習ができます。

「本文を読み取る」に方に焦点を当てた参考書です。10の問題文があるのですが、各文の設問の一つ目に「読解力開発問題」という二つの意味段落に分けた後に要約する問題があります。解説・解答編には丁寧な解説もあります。

「解答の根拠を探す」方に焦点を当てた、「現代文解答力の開発講座」という「現代文読解力の開発講座」のあとに行うと効果が非常にある参考書も出版されています。名前や表紙のデザインがが似ているので間違えないようにしてください。読解力の方を使用したあと、解答力の本も気になる場合には続けて行ってみてください。

5. 記述向けに読み方と解き方の整理

記述の演習の前に一度読み方と解き方を整理しましょう。

後半にある 13 問の演習には旧センター試験の問題も含まれています。センター試験や共通テストの過去問後の知識の整理のためにもよいです。進め方として第一部の後、第二部と第三部の評論を行った後、第二部と第三部の小説を行うとよいです。

6. 記述対策

配点基準のあるもので対策すると良いです。例としては次のようなものがあります。

「入試現代文へのアクセス」の著者の人たちの記述対策版です。2023年10月20日に改訂版がリリースされました。

www.kirihara.co.jp

「入試現代文へのアクセス」の著者の人たちの記述対策版です。上級現代文 I のみでも十分な演習ができてきると思いますが、さらに追加したい場合には使用してください。

7. その他対策

用語集

入試現代文へのアクセスやキーワード読解で十分ですが、さらに網羅性を高めたいなら次のような用語集で確認してみましょう。

語数としては最大数の一冊です。用語の演習問題があるので、問題で確認することもできます。

漢字

入試現代文へのアクセスを使用する前に漢字の読みと意味の確認のために使用した「入試漢字マスター1800+」でも十分ですが、さらに積み上げるなら次のような書籍もあります。

まとめ

高校1年中に次の3つは完成させます。

  1. 「入試漢字マスター1800+ 」で漢字の読みと意味を確認
  2. 「入試現代文へのアクセス」で読み取り方と解く流れと根拠の探し方を確認
  3. 「共通テスト過去問レビュー」センター試験と共通テストの過去問で演習

学校で要約の演習がない場合この後に、

  1. 「現代文キーワード読解」
  2. 「現代文読解力の開発講座」

で要約を行いましょう。高校2年では冬休みの前までに

  1. 「現代文と格闘する」で読み方と解き方の整理と記述準備
  2. 「上級現代文」で記述演習
  3. 「上級入試漢字・語彙」で漢字対策

を終わらせ、高校2年の冬休みから春休みで

  1. 志望大学過去問

のペースで漢字以外は高校3年になる前に一度完成させると、高校3年生では他の教科に時間を割り当てることができます。共通テストのみであれば、5の「現代文と格闘する」までで終了です。

漢字

高校三年の春からはじめて、受験日にピークとなるように進めましょう。

学校の教科書

教科書ガイドも活用して読むと解くの演習に利用できます。良いところは文章中に問題としての空欄がないところです。

具体的には、授業で一つの話の解説が終わった後に、本文をもう一度読んで、自身の理解と本文の解説を比較しましょう。足りないポイントや異なるポイントがあった場合は、確認後にそのポイントを意識しながら本文を再び読みましょう。またその後設問を行うとよいです。定期テスト対策にもなります。