はじめに
以前に紹介した参考書で新課程向けに更新されているものを中心に更新しました。
化学には法則と計算で解答する数学的な部分と暗記した知識をベースに解答する社会科目的な部分が共存しているので途中で意識の切り替えをしないとつまずいてしまう科目です。
参考書や問題集は、学校から配布される教材を使用する典型的な流れの中でつまずいているところを別のもので補足や置き換える感じで、自分に合うものを本屋などで見て選ぶとよいです。
学校配布の書籍とその使用ペース
学校配布の書籍として一般的に次のようです。この後どの大学でも過去問の演習に入れます。
- 教科書
- 実験などを視覚的に確認する書籍
- 教科書準拠問題集
- 受験用問題集
具体的な書籍で例えるなら次のような感じです。
- 教科書 (第一学習社)
- セミナー化学基礎・化学 (第一学習社)
- 化学重要問題集 化学基礎・化学 (数研出版)
定期テストの範囲は次の3つが対象になります。
- 教科書
- 教科書準拠問題集
- 実験などを視覚的に確認する書籍
これらは遅くとも高校3年の夏休み前には終了します。高校3年生の夏休み明けから、
- 受験用問題集
を使用して本格的な演習が始まります。
配布された受験用問題集は志望校の過去問とともに、夏休み中に一度解いておくと良いです。そうすることによって夏休み明けの授業ではその受験用問題集の復習ができ、自宅学習ではさらに上位の問題集を追加して得点源を目指すことができます。
それでは以降でそれぞれの選択肢の例を紹介します。
教科書
教科書を理解する。これが最初の第一歩です。化学は、教科書の内容の理解と必要な部分の暗記ができていれば点数が安定します。
ただ化学の教科書は、数学の教科書と比べると行間が少なくこれでもかっていう感じで情報が詰め込まれていますよね。もしそんなところに抵抗を感じている場合は、次のような行間が広く内容も整理されたものを使用してから教科書に戻るとよいです。
- 鎌田の理論化学の講義 (旺文社)
- 福間の無機化学の講義 (旺文社)
- 鎌田の有機化学の講義 (旺文社)
もし「鎌田の理論化学の講義」でつまずく場合は中学の内容に戻ってみてください。
それぞれ付録としてついている「入試で使える最重要Point総整理」で暗記するべき内容を整理できるようになっています。
実験などを視覚的に確認する書籍
学校で配布されているもので大丈夫です。反応や実験を図や写真で視覚的に確認も行いましょう。知識の定着をサポートしてくれます。もし書店で購入するのであれば、次のようなものがあります。
- 数研出版 視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録
学校で配布される「フォトサイエンス化学図録」と同じ内容のもので、
。教科書準拠問題集
知識の整理と定着のために教科書と同じ出版社の次のような問題集が配布されていると思います。
- セミナー化学基礎・化学
- エクセル化学 総合版
- センサー総合化学
別冊解答が配布されていなかったり、相性が良くないと思う場合は、問題のレベル別に他の書籍と置き換えるとすると次のような感じです。セミナー化学基礎・化学の問題を例に紹介します。
「まとめ」と「セルフチェックシート」
教科書のところで紹介した大学受験 Do Series 講義シリーズとその付録の「入試で使える最重要Point総整理」を代わりに使用して整理できます。
「プロセス / ドリル」 (196問)
次のような穴埋め問題集を使用できます。
- 文英堂 必修整理ノート 化学基礎
- 文英堂 必修整理ノート 化学
この二冊は「化学の新標準演習」や「化学の新演習」の著者の卜部先生です。
「基本例題・問題」「発展例題・問題」 (59問 - 346問, 47問 - 195問)
知識が問題としてどのように問われるかを確認する部分です。「例題」をインプット、「問題」をアウトプットとして使用できます。ここができれば河合の全統模試で偏差値60に届きます。セミナーの問題の解答・解説が難しく感じてなかなか進まない人には次のようなものもオススメです
- 旺文社 化学 入門問題精講 (142問)
- 旺文社 化学 基礎問題精講 (66問 + 45問)
「問題精講」シリーズは教科書を部分的に切り取ったような感じの「精講」や、解答の解説にその周辺知識も整理されています。単に解答をみるだけではなく、隅々まで理解しましょう。
Do Series の鎌田先生が著者に含まれています。
「総合問題・総合演習」 (39問 - 98問)
難関大の問題に対応する部分です。問題の難易度はセミナーよりこちらの方が少し上です。「セミナー」の後に追加で行うのもよいです。
- 旺文社 標準問題精講 (106問)
こちらもDo Series の鎌田先生が著者に含まれています。「精講」や解答の解説はこのレベルの書籍の中では非常に丁寧になっています。
一冊まるごと置き換える
次のようなものがあります。
- 三省堂 化学の新標準演習 (149問 + 429問)
このの著者の卜部先生は「化学の新演習」の著者でもあります。
受験用問題集
教科書準拠問題集の次にアウトプットを行うための代表的なものは次のような感じです。
- 重要問題集
- 難関校過去問シリーズ (XX大の物理XXカ年)
- 旺文社 鎌田の化学問題演習 (309問)
「セミナー」の次はこれというアウトプットの定番のものです。
自身の志望大学がこのシリーズにあるなら「セミナー」の次に「重要問題集」よりこちらを優先しましょう。志望大学で出題された問題が分野別に掲載されています。
Do Series の講義版の参照すべき箇所も記述されています。講義の方に含まれている問題と併せて行うとよいです。
過去問
次に紹介するさらに難しい問題に取り組む前にたとえ東大でも志望大学の過去問に取り組みましょう。
難易度が高い問題集
過去問のあとに時間があれば、次のものにも取り組んでみてください。特に難関校過去問シリーズに志望大学がない場合で早慶を併願する場合は使用するとよいです。
- 三省堂 化学の新演習 (383問)
辞書
もし問題の解説で疑問点が生じたら、以下の書籍で調べるとよいです。高校1年から学校の進度に合わせて内容を一度理解していくという使い方もできます。
特定分野の強化
有機化学の構造決定を集中的に演習したいのであれば、次のようなものがあります。
まとめ
現役の進め方の一つの例としては、学校の定期テストに合わせて、
- 教科書
- 実験などを視覚的に確認する書籍
- 教科書準拠問題集
夏休みなどの長期休みに授業で進んだところまで、
- 入門問題精講
- 基礎問題精講
- 標準問題精講
高校3年の夏休み前にここまで終了して、高校3年の夏休みに
- 重要問題集
- 併願校を含む志望大学過去問
ここまで順調に終了していれば 8 月末の河合の記述で偏差値70付近に到達できます。高校3年の9月から
- 化学の新演習
12月の駿台のプレの後に
- 共通テストの過去問と予想問題で演習
で一通り終了です。共通テストは9割以上を目指せます。知識的な問題に対応するために、「教科書」と「実験などを視覚的に確認する書籍」はこの時点で再度目を通すとよいです。