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化学の勉強フローと参考書 / 問題集の選択肢

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はじめに

以前に紹介した参考書がいろいろ廃版になっていたので更新しました。

化学には法則と計算で解答する数学的な部分と暗記した知識をベースに解答する社会科目的な部分が共存しているので途中で意識の切り替えをしないとつまずいてしまう科目です。

参考書や問題集は、学校から配布される教材を使用する典型的な流れの中でつまずいているところを別のもので補足や置き換える感じで、自分に合うものを本屋などで見て選ぶとよいです。

典型的な流れ

教科書準拠の問題集を含めた典型的な流れとしては次のようなものがあります。

  1. 教科書 (第一学習社)
  2. 教科書準拠問題集
    セミナー化学基礎・化学 (第一学習社)
  3. 化学重要問題集  化学基礎・化学 (数研出版)
  4. 過去問
  5. 化学の新演習 (三省堂)

1 と 2 が順調な人はあえて変える必要はないです。1と2がしっかりできていれば、3 〜 5 はスムーズに進みます。また4の過去問では東大や東工大でも過去問に入れます。

ステップ1 教科書

教科書を理解する。これが最初の第一歩です。化学は、教科書の内容の理解と必要な部分の暗記ができていれば点数が安定し出します。

ただ化学の教科書は、数学の教科書と比べると行間が少なくこれでもかっていう感じで情報が詰め込まれていますよね。もしそんなところに抵抗を感じている場合は、次のような行間が広く内容も整理されたものを使用してから教科書に戻るとよいです。

  • 鎌田の理論化学の講義 (旺文社)
  • 福間の無機化学の講義 (旺文社)
  • 鎌田の有機化学の講義 (旺文社)

もし「鎌田の理論化学の講義」でつまずく場合は中学の内容に戻ってみてください。

それぞれ付録としてついている「入試で使える最重要Point総整理」で暗記するべき内容を整理できるようになっています。

ステップ2 セミナー化学基礎・化学

教科書の内容が理解できたら、知識の整理と定着のために問題演習をします。

エクセル化学[総合版]も同様ですが、別冊解答がなかったり、相性が良くないと思う場合は、次のように問題のレベル別に他の書籍と置き換えることもできます。

「まとめ」と「セルフチェックシート」

教科書のところで紹介した大学受験 Do Series 講義シリーズとその付録の「入試で使える最重要Point総整理」を代わりに使用して整理できます。

「プロセス / ドリル」 (183問)

次のような穴埋め問題集を使用できます。

  • 旺文社 書き込みサブノート 化学基礎
  • 旺文社 書き込みサブノート 化学

この2冊の著者の中道先生は「化学の良問問題集」の著者でもあります。

「基本例題・問題」「発展例題・問題」 (641問 - 62問, 352問, 47問, 180問)

知識が問題としてどのように問われるかを確認する部分です。「例題」をインプット、「問題」をアウトプットとして使用できます。ここができれば河合の全統模試で偏差値60に届きます。セミナーの問題の解答が難しく感じてなかなか進まない人には次のようなものもオススメです

  • 旺文社 化学 入門問題精講 (253問)
  • 旺文社 化学 基礎問題精講 (142問 + 111問)

「問題精講」シリーズは教科書を部分的に切り取ったような感じの「精講」という部分があり、問題を解くために必要な知識がその周辺とともにが整理されています。

また Do Series の鎌田先生が著者に含まれています。

「実践問題・総合問題」 (103問 - 63問, 40問)

難関大の問題に対応する部分です。

  • 旺文社 標準問題精講 (106問)

こちらも Do Series の鎌田先生が著者に含まれています。問題数はほとんど同じですが、問題の難易度はセミナーよりこちらの方が少し上です。ただ「精講」の部分があり解説はこのレベルの書籍の中では非常に丁寧になっています。

「論述問題」 (101題)

論述問題は読み物として問題と解答を読むと知識の整理にも役立ちます。代わりに利用するなら次のようなものもあります。

  • 駿台文庫 化学記述・論述問題の完全対策

一冊まるごと置き換える

次のようなものがあります。

  • 化学の新標準演習 (三省堂)

このの著者の卜部先生は「化学の新演習」の著者でもあります。

ステップ3 化学の重要問題集 (275問)

アウトプットとして使用する問題集です。いろいろな問題形式ものが含まれています。こちらも解答やレイアウトが合わない人は次の問題集もあります。

  • 旺文社 化学の良問問題集 (341問)
  • 旺文社 鎌田の化学問題演習 (235問)

重要問題集より少し下のレベルから問題が始まるため問題数が多くなっています。到達点は同じです。著者は書き込みサブノートと同じ中道先生です。

Do Series の講義版の参照すべき箇所も記述されています。講義の方に含まれている問題と併せて行うとよいです。

ステップ4 過去問

ステップ3の後は東大や東工大でも過去問に入れます。

教学社の難関校過去問シリーズでXX大の化学XXカ年がある場合は優先して行いましょう。

難関国公立や早慶の場合などで難関校過去問シリーズの中に志望大学がない場合は、過去問の後に演習量を増やすために次の化学の新演習レベルも行うとよいです。

ステップ5 化学の新演習 (331問)

重要問題集より難易度の高い問題も含まれています。XX大学の化学XXヵ年 (赤本の難関過去問シリーズ) に志望大学がない難関大学を志望する人は行っておいた方がよいです。

ここのレベルではまず「化学の新演習」を行うのがベストだと思いますが、他の選択肢としては次のようなものもあります。

  • 駿台文庫 新理系の化学問題100選 (111問)
  • 学研プラス 鎌田の解き抜く化学
    理論化学・無機化学1編 / 無機化学2・有機化学編

実際の入試問題が省略せずに載っています。

この辺りはお互いに問題の被りがないので時間がある人は新演習の後にこの順で全部行っても良いです。

化学の新研究

問題の解説で腑に落ちない部分を調べる辞書的な役割です。次のようなものもあります。

  • 駿台文庫 新理系の化学 上 / 下

特定分野向け

今までに紹介したものが完了していれば特に必要性を感じないと思いますが、計算問題や有機の構造決定問題を鍛えるのであれば次のようなものもあります。

理論の計算の理解を深めたい場合に取り組んでみてください。著者は「新理系の化学問題100選」と同じ石川先生です。

有機の構造決定は特に浪人生と差がつく部分です。しっかり演習したい場合は、取り組んでみてください。インプットが終了した後であれば使用できます。

まとめ

教科書の内容が理解できて暗記すべきポイントが暗記されていれば物理より点数が安定する科目ですが、数学的な色が強い理論のあとに大量の暗記が必要な無機や有機が来るため現役生で挫折する人も多いのも事実です。ちなみに難関大を目指す現役生の場合、私のおすすめは

高校2年までは学校の定期テストに合わせて、

  • 教科書
  • セミナー化学 または エクセル化学
    (学校の教科書と同じ出版社)

夏休み、冬休み、春休みなどの長期休みに、学校で終了した範囲を次のような書籍で演習します。

  • 入門問題精講
  • 基礎問題精講
  • 標準問題精講

高校3年生は夏休み前までに全範囲で上記内容を終了させます。

夏休みには

  • 良問問題集
  • 志望大学過去問

9月から11月に

  • 化学の新演習

12月に

  • 共通テストの過去問
  • Z会の共通テスト実践模試

のペースで行うことができるとよいです。