はじめに
大学受験の勉強は、先の見えないランニングではなくゴールのあるマラソンと同じです。ゴールにたどり着けば誰でも合格するレベルに到達でき、ゴールにたどり着くまでのルートの選択や走り方などは自身で決められます。効率よく走り切るための全体像を次のような内容で確認してみましょう。
- コース全体の把握
- 現在地の確認
- ルートの確定
コース全体の把握
次の三つの要素があります。
- スタート地点
- ゴール地点
- ルートの選択肢
スタート地点
高校の教科書です。
高校の教科書の内容が理解できていれば、河合塾の全統模試で偏差値50 (順位として真ん中) には到達できます。ただし社会科目以外で高校1年生の教科書が理解できなければ中学の参考書・問題集をスタート地点に設定しましょう。
ゴール地点
志望校の過去問で全科目9割以上得点できるようにすることです。
教科書の内容を理解した後、志望大学の過去問で各科目9割以上得点できるのであれば、復習と志望大学レベルの演習を繰り返し、現在の状態を受験当日まで維持しましょう。
もし得点できない場合は、志望大学の合格者でその科目を得点源にしていた人や志望大学の一つ上のレベルの大学の合格者が、過去問の前に使用していた参考書・問題集をゴールとして設定します。
ルートの選択肢
中継地点として次の3つを設定します。
- 教科書の完成
- 合格最低点
- 得点源
参考書・問題集は、いきなり一冊に絞らずまずはレベルや課題ごとに複数リストアップしましょう。学校で配布された参考書や問題集なども含めると効率的です。
現在地の確認
スタートからゴールの間で、自分の現在の到達している位置と残りの距離を確定させます。
ルートの確定
リストアップした複数の選択肢の中から自分に合っているものを確定させます。参考書・問題集は色味やレイアウトなども自分にあっているかどうか確認するとよいです。
勉強法
参考書の問題はインプットとアウトプットで使い分けます。
- インプット - 理解して覚える。
- アウトプット - 解いて思い出す。
インプット
先人の知恵を取得します。問題文と解答を同時に読んで理解するところから始める。初見で解くことはしません。
アウトプット
インプットした内容を記憶から引き出す演習です。解答を見ず、初見で解くところから始める。
知識の定着率を向上させるには
つぎの3点を念頭において進めます。
エビングハウスの忘却曲線
一度記憶してもその後触れないと忘れていくというものです。
定着させるには、忘れそうになったタイミングで再び触れて思い出す必要があります。法則で言われている忘れる量や周期は人はあくまで目安で、個人差がかなりあります。自分が忘れる量やタイミングを見つけて復習することを心がけます。
スパイラル方式学習
範囲全体の周回期間を短くし、段階的に難度を高めていきます。
単元ごとに教科書レベルから入試発展レベルまで完成させていくより、全単元を
- 教科書レベル
- 入試基礎
- 入試標準
- 入試発展
とレベルごとに完成させつつ全単元を何度も周回する方が過去に得た内容を思い出しながら新しい知識や使い方を追加していく事になるので記憶の漏れを最低限にできます。また入試直前になって全単元が終了していないという危険も避けられます。
ラーニングピラミッド
他人に教えられるようになることを意識して学習します。
これによって理解したことを自分の中で再構築するために理解と定着の精度が高くなります。
次のステップ
スタート地点、ゴール地点、ルートと距離が把握できたら勉強の開始です。